アンティークらしい魅力に溢れたローズカットダイヤリング1900年頃のフランスのローズカットダイヤの指輪。
さりげない可愛いさが魅力的。
ダイヤも大きすぎず小さすぎず、とても上品な指輪です。
なだらかな横長のデザインがポイント素材はフレームが18Kイエローゴールド(YG)で台座部分だけホワイトゴールド(WG)です。
素材的にはよくある組み合わせのアンティークリングなのですが、なかなか見かけない愛くるしい指輪。
横に広がるベゼルがその愛らしさの決め手でしょう。
西洋のリングは、案外縦長のものが多いのですが、小柄な日本女性には案外この横長がしっくりきます。
全体にミルグレインがぎっしり施されています。
ダイヤは真ん中の一粒だけなのですが、細かな粒金が随所に施されているため、視線が両脇へも行き、これ見よがしな派手さはないのに、ぱっと花が開いたような輝きに溢れているのです。
指輪サイズは10号(有料でサイズ直し可)
フランスの金の刻印に加えて、宝飾家の刻印もあり。
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世界で最も長いジュエリーの歴史をもつ国のひとつフランス。
フランスの刻印制度はイギリスと並び世界で最も早く、制度が作られました。
フランスの刻印は金の刻印だけでも、フランス国内用に作られたゴールド製品の押されるもの、輸出用ゴールド製品に押されるもの、輸入金製品に押されるもの等、いくつもあります。
すべてを網羅するのはプロでも難しいですが、アンティークジュエリーで使われる刻印はある程度は決まっています。
(もちろん珍しい刻印も出てくるのですが・・・)
フランスの刻印は昔も今も国によって厳しく管理されていますので、「金位や貴金属の区分」に関しては、刻印を正確に読み取ればまがい品をつかむことはまずありません。
ただし刻印で読み取れるにはフランスのアンティークジュエリーの場合、多くが貴金属の種類と金位だけですので、アンティークの真偽を保証するものではありません。
(もちろんヒントになるところは大きいです)
分からない刻印を調べたいときは、分厚いフランスの専門書で調べるとほとんどすべてが明らかになります。
アンティークジュエリーで一番多く見るのは、フランスの金の刻印である「鷲の頭」です。
またプラチナのアンティークジュエリーの場合、「犬の頭」の刻印が押されていることが多いです。
刻印はアイテムによって打たれるところが大体決まっています。
フランスのアンティーク指輪の場合は、フレームの外側部分(イギリスは内側部分なので反対になります)の時計の針の4時か8時の場所に2ミリほどで打たれていることが多いです。
ネックレスの場合、必ずと言って良いほどクラスプの挿入するパーツ側の表面に打たれています。
クラスプがないタイプのネックレスの場合、留め具の割りかんのところに打たれていることが多いです。
ではアンティークジュエリーに刻印は絶対に打たれているものなのでしょうか?
答えはNOです。
イギリスやフランスでは古くから刻印制度が発達していますので、確かに打たれているものが多いですが、例外も多くあります。
以下がその主なものです。
1)19世紀初期およびそれ以前の作品。
刻印は19世紀の中で発達していきますので、これ以前のアンティークジュエリーではホールマークがないことも多いです。
ただし18世紀や19世紀初期の頃の作品でオリジナルでは刻印がなかったジュエリーも後年になって「再コントロール」を受けることがあります。
これは現在のフランスの法律で特にゴールド製品の場合は、刻印のない2グラム以上のジュエリーを売ってはならないと言う法律があるからです。
再コントロールされた場合は、残念ながら現在のフランスの刻印が打たれてしまいます。
2)指輪のサイズ直し。これが一番多いケースです。
3)バングル等の場合クラスプの取替えで刻印がなくなってしまっている。
4)ネックレス等の場合、引き輪部分の取替えで刻印がなくなってしまっている。
(よりによってフランスではチェーンやネックレスは引き輪にホールマークが打たれることがほとんどなのです。
ただ幸いネックレスやチェーンは金位が重要になるアイテムですので、比較的気をつけてオリジナルの部分をとらない方法が取られていることが多いです。)
3)壊れてしまうほど小さなジュエリー、あるいは2ミリ以下のジュエリー。
2ミリ以下のジュエリーには打たなくてよいという例外の法があるからです。
刻印がないアンティークジュエリーというのももちろんありまして、「刻印がない=フェイク」と言うことではなく、アンティークジュエリーの真偽は色々な要素を複合的に観る必要があります。
しかしそのジュエリーの真偽や歴史をたどる大きな道しるべになることは確かです。
シェルシュミディでは特別な理由がない限り、刻印の押されているものを仕入れるようにしています。
ちなみに貴金属に関する刻印以外に、工房印が押されるケースもあります。
フランスでは貴金属に関する刻印は、もし金などの貴金属が使われている場合は必須になりますが(一部、上記の例外を除く)、工房に関する刻印は打たれているほうが稀です。
工房は星の数ほどありましたので、刻印だけでどこの工房のものかを見分けることはほぼ不可能ですが、工房の刻印はどの工房のものであってもひし形をしています。
貴金属に関する刻印と、工房に関する刻印を見分ける事は容易にできます。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。