アンティークストマッカー(南仏プロヴァンス)

南仏プロバンスのアンティークストマッカー 18世紀のフランス製。
ストマッカーとはドレスのウエストの最も細い部分に付けるジュエリーのことです。
ヨーロッパでも特にフランスやスペイン、ポルトガルなどで作られたジュエリーです。
時々、スペインやポルトガルのアンティークストマッカーも見かけるのですが、やはりセンスの良さと細工の細やかさからフランス製のストマッカーに軍配があがります。
このストマッカーは18世紀末のフランス、プロヴァンスのもの。
フランスで見つかるアンティークのストマッカーは、プロヴァンスかノルマンディー地方のものが多いです。
南仏らしい可憐さも感じられる装飾が見所です。
アンティークストマッカー自体がとても数が少ないものなので、当店でも数年ぶりの仕入れになりました。
レースのようなデリケートなオープンワークと可憐なお花模様 このストマッカーは全体は銀製ですが、ところどころに18金が使われています。
そしてゴールドの色も所謂イエローゴールドの色と少しピンクを帯びたローズゴールドの2色が使われています。
例えばお花のモチーフの箇所などはお花の内側が銀でできており、花びらだけがイエローゴールドになっています。
この銀と金、あるいはゴールド同士の色の切り替えが非常にセンスよく巧みに行われています。
「花と葉」をモチーフにした流れるようなオープンワークが見事で、も葉っぱの先端にダイヤモンドが埋め込まれるようにセッティングされています。
ダイヤモンドはすべて台座に深く埋め込まれるようにセットされているのでぱっと見たところは目立ちませんが、何と合計32石ものダイヤモンドが使われています。
すべてとても古い時代のローズカットダイヤモンドです。
黒っぽい内包物を含みカッティングはシンプルで、傷みもそれなりにありますが、輝きはしっかりとしていて透明感もあります。
控えめにキラリキラリと光るダイヤモンドには、19世紀後期以降のだダイヤモンドにはない魅力があります。
繊細なラインの曲線とラインの間から見える透かしは、どこか絵画のようでもあり、いつまでも見続けていたくなる芸術品です。
裏側のチェーンと押しにチェーンや紐などを通してペンダントとしてお使いいただける他、おそらくこれは後付けだと思うのですが、ブローチの金具も付いていますのでブローチとしてもお使いいただけだけます。
ストマッカーはボリュームがありますので、短めにリボンなどで結んでチョーカー風に着けていただくのが一番お薦めです。
注:チェーンはついていません。

  • 幅:36mm 
    高さ:55mm 
    重量:11g
  • 販売価格:売り切れました。

アンティークストマッカー(南仏プロヴァンス)

世界にひとつだけの一点もの

  • 3.6センチx5.5センチとかなりの大きさですが透かしなので重ったるくありません
  • チェーンの代わりにリボンを通しても素敵です。チェーン通しもついています
  • 3つのパーツからなりそれぞれが独立して揺れる作り、花と葉がモチーフ
  • ダイヤモンドは銀の台座に深く埋め込まれ、台座はぽっちゃり厚みがあります
  • 4ミリx6ミリと大きなダイヤモンド、内包物も傷もありますが透明でよく輝きます
  • アンティークストマッカー(南仏プロヴァンス)
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アンティークストマッカー(南仏プロヴァンス)

[通販価格:税込]:売り切れました。

アンティークエピソード[Antique episode]

地方ジュエリー ビジュードプロヴァンス(南仏 ビジュードプロバンス)

フランスのアンティークジュエリーの大半はパリを中心とした貴族社会を中心に展開します。
しかしその地方独特の発展が見られるジュエリーもあります。
地方ジュエリーと中央のジュエリーとの発展とは大きな違いがあります。
それはパリを中心にしたジュエリーは常に、貴族社会から展開していること。
一方で地方のジュエリーは17世紀までは貴族の装飾様式を模しながら、既に18世紀初頭からその地域特有の発展を見せ、その地域の有力な商家がその主役になります。
そうした意味でいわゆる貴族的なソフィストケートとはまた異なった魅力を持つのです。

下記はプロの中で良書と呼ばれている地方ジュエリーに関する文献ですが、残念ながら廃盤です。
(フランスは歴史的に中央の政治戦略が強く、地方特有の衣装や装飾品は、長年あまり研究の進まなかったという側面を持っています)。
表紙になっているのはMariette Dayreの肖像画(1860年)。
南フランス、アルルのアルラタン博物館に所蔵されています。
この地域特有の衣装と、ソートワール(ロングネックレス)に3連になった短いネックレス。
大きめのイヤリングピアスにブローチ、髪飾りと当時のアルル地域の貴婦人のジュエリーを今に伝えてくれる絵画です。

Mariette Dayre

地方ジュエリーがもっとも豊かにみられるのは南仏(プロバンス、プロヴァンス)で、それはこの地域に特有の文化、衣装が発達があったから、そして土地として恵まれて経済的に豊かであったからです。
この地域で作られたジュエリーをビジュードプロバンス(bijoux de provence)と呼びます。
南仏と言っても広いのですが、いわゆる「プロヴァンス地方」の西のエリア。
特にフランスの中央から独立していた時代も長く経済的に豊かであったアルル( アルルはフランスではおそらく唯一、少量ながらダイヤモンドが採掘された地域でもあります)、あとは港を持ち地中海貿易の中心地として発展したマルセイユ、プロヴァンス公国の首都であったエクサンプロヴァンスです。
この地域では、「地域特有の衣装」が既に16世紀に作られ始め、18世紀の後半には定着します。
ジュエリーが発展する際は、必ず衣装(コスチューム)と共に発展するため、フランスで地方特有のジュエリーが生まれる可能性を最も多く持ったのがこのプロヴァンス地域でした。
地方ジュエリーが大きく発展するのは、18世紀を通じてです。
下記は画家Antoine Raspal(1738-1781)によるアルルの女性の肖像画。

arlesienne

Granat美術館所蔵。
胸元にマルタの十字架、腕にブレスレットが描かれています。

以下にビジュードプロヴァンスの典型的なジュエリーをいくつか挙げます。
ビジュードプロヴァンスと言えばこれを思い浮かべる方も多いでしょう、アルル地域で作られたアルルのダイヤモンドのリビエールネックレス。

アンティークダイヤモンドネックレス(南仏プロヴァンス、ステップカットダイヤモンド)

ビジュードプロヴァンスに、十字架(クロス)の比率はとても多いです。
なぜならこの地域では、クロス(あるいはソートワール)こそが「富の象徴」であったからです。
プロヴァンスの十字架にはいくつかのとても特徴があるデザインが見られます。
例えば下記は、当店で販売済みの「Croix Capucines」と呼ばれるタイプのもので、コーン型の頂上に小さなローズカットダイヤモンドをセットします。
また南仏のクロスでは、キリストは描かれません。

アンティークローズカットダイヤモンド十字架(17-18世紀、南仏ビジュードプロヴァンス)

下記もデザインに南仏の特徴が出たクロスです。
花の形をしたモチーフで描かれたクロスは19世紀末から見られます。
モチーフの底部に黒いエナメルが入れられたものも南仏のクロスでよく見ることができます。

ビジュードプロヴァンス(南仏のクロス、シンセティックサファイヤ、黒エナメル)

南仏プロヴァンスでは、ソートワールの「連の多さ」は社会的ステータスを表すと考えられていました。
そしてチェーンに十字架やメダル(メダイヨン)、時には時計を通したのです。
時計を通すときはあらかじめ胸の辺りにそれ用の小さなポケットも作られました。
下記は1900年頃の絵葉書で描かれた「アルルの女性たち」。
当時のソートワールの装いが分かる一枚です。

arlesiennes_postal マルセイユでは、子供が生まれるごとにこの連を一つずつ足していきました。
下記は1866年に描かれたマルセイユの女性。
首に何連ものチェーンを重ねています。

marseillaise

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