珍しいアールデコの自然素材のアンティーク珊瑚ネックレス1920年代のフランス製、アンティーク珊瑚ネックレス。
左右が完全に対象で、やや縦長のシルエットは当時フランスを席巻していたアールデコのデザインそのもの。
珊瑚やパール、象牙などはわりと19世紀のジュエリーに多く見られる素材なので、自然の素材を使ったアンティークジュエリーでこのようにモダンなデザインのジュエリーは少ないです。
赤い糸でつながれた無数のアンティーク珊瑚
ぷりぷりした丸い形に編まれた珊瑚がなんとも可愛いらしい縦長のサンゴネックレス。
気の遠くなりそうな程細かな作業で作られています。
アンティーク珊瑚でできたボンボンは、内側に玉みたいなものを入れてその周囲に赤い糸でつなげたサンゴを敷いています。
珊瑚のボンボンとボンボンの間も、珊瑚でできています。
これは糸に通した珊瑚をいろいろな角度に捻ることにより作っています。
驚くほどしっかりした作りで、緩みやホズレが一切ないのが驚きです。
留め具の部分は普通の金属が付けられていて、状態も良好です。
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パールとともに海の二大宝石と呼ばれるコーラル(珊瑚)。
珊瑚は、宝石の中でも珍しい有機物質の宝石です(大半の宝石は鉱物系)。
宝石として使われる珊瑚は、いわゆる「サンゴ礁」などと異なりずっと深海に生息する硬質のサンゴです。
ポリプ(サンゴ虫)の触手が8本に分かれていて(珊瑚礁は、触手の数が6本です。)、多くは太陽の光が届かない深く冷たい海の底でひっそりと生息しています。
数百ミクロン程度までの微小な浮遊物などを捕食して、ゆっくりと成長します。
わずか1cm成長するのに、50年近くかかる種類もあるのだとか。
磨くと美しい光沢を放ち、その赤い色が当時の女性の舞踏会用のドレスによく合い、女性の顔色を健康的に若々しく見せてくれると重用されました。
アンティークジュエリーで用いられる珊瑚としては、19世紀にイタリア、ナポリ湾で取れたもの。
フランス、ニースを中心とする地中海沿岸部でとれたものが有名です。
ヨーロッパではコーラルは彫刻されてカメオとして使われたり、自然の形のままでネックレスやブレスレット、リング、ピアスにされ愛されました。
下記は販売済みですが、当時セットで見つけた珊瑚のピアスとブローチです。
珊瑚は赤系色の珊瑚で、赤、オレンジ赤、ピンク、白色に大きく分けることができます。
ヨーロッパのコーラルの色もオレンジレッド、血赤色、ピンク色など様ざまです。
下記はくっきりとしたオレンジ色の珊瑚が鮮やかなピアスです。
ピンクがかったものやオレンジ色、濃いものから薄い色までと、実にさまざまな自然の色が存在する珊瑚ですが特に価値が高いといわれるのが、「ポーダンジュ(天使の肌) Peau d'ange (英語でangels skin) 」と呼ばれる色の珊瑚です。
ローズ(薔薇)の色を深くしたようなサーモンピンクで、特にアールヌーボー期に好まれます。
アンティーク珊瑚の大半はオレンジ色ー赤色の珊瑚ですので、「エンジェルスキン」のピンク色の珊瑚は少ないです。
下記はやはりアールヌーボーの頃のエンジェルスキンの珊瑚のネックレス。
粒も大きく色もくっきり、これだけ美しい珊瑚は当店としても初めてです。
また下記は2010年頃のフランスのジュエリーオークションに出品されていた、やはりエンジェルスキン珊瑚のネックレスです。
「peau d'ange」がフランス語でangel skinを意味します。
上記の当店扱いのネックレスとノットの部分の色合いまでが同じだったのでドキッとしました。
ピンク色は濃さがあるほど良いです。
下記はカルティエ製のヴィンテージの指輪ですが、珊瑚自体は上記のネックレスの方が上質です。
最上級のエンジェルスキンの珊瑚は今日、1グラム220-230ユーロ(2017年1月現在1グラム27,500円程)で取引をされることもあるのだとか。
つまりゴールドより高い価格がつけられることがあるのです。
日本でもこのようなピンク色の珊瑚が「桃さんご」と呼ばれ、高知近海で採れたようですが、今では採取されていないそうです。
アンティークジュエリーで用いられている珊瑚は、特にフランスはかつてニースを中心とする地中海沿岸部で豊かに珊瑚が採れたということもあり、その大半が地中海沿岸部で取れたものです。
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