オーストリアハンガリー帝国 フィリグリー細工ブローチ(シルバーギルド)

希少なオーストリアハンガリー帝国のアンティークジュエリー かなりサイズの大きなバタフライのブローチです。
素晴らしいフィリグリー細工が広範囲に、そして立体的に施された稀有な作品です。
フィリグリー細工はフランスのアンティークゴールドチェーンでよく見られますが、もっと平面的に小さい面積の中に施されたものが多く、このようにジュエリー全体に施されたものは、私も初めて目にします。
このブローチ自体は、ロンドンで仕入れたものです。
フィリグリー金細工(この場合、地金はシルバーギルドですがもともとゴールドを用いて発達した細工です)は、イギリスではなく大陸ヨーロッパのアンティークジュエリーに見られますので、どこの国のものだろうと思っていました。
そして拡大して写真を撮っているときに、非常に小さな作品と一体化したように押されている刻印を発見しました。
その後、海外のプロフェッショナルの友人の助けも得て、色々調べた結果、確かにオーストリアハンガリー帝国の刻印であることが判別できました。
19世紀後期のものです。
オーストリアハンガリー帝国のジュエリーはエピソードにも記載しましたように、通常もっと多彩な色彩のジュエリーが多く、そうしたありきたりな作品でない分、今回は特に分かりづらかったです。
オーストリアハンガリー帝国のアンティークジュエリーは、細工がもっと荒削りのものが多いですから、例外的な作品と言えます。 壮大なフィリグリー細工とグラニュレーション 蝶全体がほとんどすべてフィリグリー細工で形づくられていますが、それ以外の金細工技術が駆使されています。
古代エトルリア(エトルスカン)様式を模した、グラニュレーション(金属の表面を球状の貴金属でできた粒で覆うこと)が見られます。
グラニュレーションは高度な技術を誇ったエトルリアの金細工の中でも最も謎の多い技術です。
19世紀に入り古代リバイバルが起こりヨーロッパのジュエラーがこぞって、古代ジュエリーの復元に励みますが、貴金属の粒を溶接材を用いずに付着させる方法は謎のままでした。
本来、貴金属の粒を付着させて仕上げたグラニュレーションですが、この作品では同じような視覚効果を作るために、おそらくそれ以外の部分を掘り出しているようです。
ルーペで見てもどこまでも細かいですから、掘り出したとしても神がかった職人技です。
ロンドンで懇意にしているディーラーさんからリーズナブルに仕入れたジュエリーですが、面白い要素の詰まった希少な作品です。
地金はゴールドのように見えますが、シルバーギルドです。
このような長い年月を経ても簡単に色落ちのしない、質の良いシルバーギルドは、水銀を使って金を鍍金(ときん)して仕上げられました。
シンメトリーなデザインですので、厚手のアウターの片側に着けていただくほか、胸の中心に持ってきても大きさもあるので映えそうです。

  • 幅:73mm 
    高さ:59mm 
    重量:53g
  • 販売価格:売り切れました。

オーストリアハンガリー帝国 フィリグリー細工ブローチ(シルバーギルド)

世界にひとつだけの一点もの

  • 横幅が7.3センチと大きい作品ですが、透かしになっているので重々しくないです
  • 大きさがありシンメトリーなため真ん中に持ってきても見栄えがします
  • 円状の内部に肉眼では見れないほどのグラニューレーションが施されてます
  • 胴体部分や触覚にいたるまで緻密に金細工が施されています
  • オーストリアハンガリー帝国の刻印がきれいに残っているところも貴重です
  • オーストリアハンガリー帝国 フィリグリー細工ブローチ(シルバーギルド)
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オーストリアハンガリー帝国 フィリグリー細工ブローチ(シルバーギルド)

[通販価格:税込]:売り切れました。

アンティークエピソード[Antique episode]

オーストリアハンガリー帝国のアンティークジュエリー

ヨーロッパのアンティーク市場で時々、出会うジュエリーの一つに、オーストリア・ハンガリー帝国のアンティークジュエリーがあります。
オーストリアハンガリー帝国のジュエリーは、他の西洋アンティークジュエリーには見られない特徴があり、多くの場合一目で認識することが出来ます。

その特徴は、特に色彩において見られます。
「ネオルネサンス」と呼ばれる、多くの色を用いたカラーパレットのような色調が特徴的です。
その多彩な作品は、エナメルあるいは多彩な宝石を贅沢に使うことで表現されました。

下記は当店で販売済みのオーストリアハンガリー帝国のぺンダントネックレス。
トルコ石と真珠が贅沢に使われているほか、黒と白のエナメルが入り、多彩な色調です。
ルネサンス様式を回顧した、ネオルネサンス様式のジュエリーは、オーストリアハンガリー帝国の代表的な作品です。

アンティークロケットペンダント(トルコ石、エナメル、オーストリア=ハンガリー帝国)

オーストリアハンガリー帝国のアンティークジュエリーは、数を見ていくことでその如実な特徴が掴みやすいです。
下記も前述のペンダントとほぼ同時代の、ペンダントです。
この作品では、緑ガラスの上にエメラルドを張っています。
鮮やかな緑色の色彩を出すための工夫で、ルネサンスらしい明るい色調への拘りからです。
この作品では、白エナメルに部分的にエンジ色のエナメルが入っており、西ヨーロッパのジュエリーにはない色彩です。

エメラルドペンダント(19世紀オーストリアハンガリー帝国、エナメル)

オーストリアハンガリー帝国のジュエリーは、宝石を惜しげなく用いたものが多いですが、地金は銀製(あるいはシルバーギルド)で、いかに高価な作品であっても金無垢を用いたものはほとんど見ません。
以前、一度ロングネックレスで、全てのパーツにスクエアの立派な大きさ&クオリティーのエメラルドがセットされた19世紀のオーストリアハンガリー帝国のネックレスを見ましたが、それほどハイクラスな作品でも銀の上に金を上塗り(シルバーギルド)でした。

下記も既に販売済みですが、当店で過去に扱ったオーストリアハンガリー帝国のエメラルドのペンダントネックレスです。
信じられないほど大きなサイズの大作で、エメラルドが惜しげなく多用されていましたが、やはりそれでもシルバーギルドが用いられています。

大ぶりエメラルドペンダントネックレス

装飾に関しては、裏面にいたるまでぎっしりと施すのが特徴ですが、その彫金技術は一般的に西ヨーロッパより粗めです。
ただ例外的に、下記のように同時代の西ヨーロッパでさえ見ないような、技術の高い作品も例外的に存在します。

フィリグリー細工ブローチ(バタフライ シルバーギルド)

サイズ感としては例えば同時代のフランスやその他の西ヨーロッパのジュエリーに比べて概して大きめです。

オーストリアハンガリー帝国を統治していたのは、かのハプスブルク家です。
ハプスブルク家は、現在のスイス領内に発祥したドイツ系の貴族の家系です。
古代のユリウス一門(カエサル家)の末裔を称し、中世の血縁制度を利用した政略結婚(ルイ16世の妃マリー・アントワネットもハプスブルク家の出身)により広大な領土を獲得、南ドイツを代表する大貴族に成長します。
中世から20世紀初頭まで中部ヨーロッパで強大な勢力を誇り、オーストリア大公国、スペイン王国、ナポリ王国、トスカーナ大公国、ボヘミア王国、ハンガリー王国、オーストリア帝国(後のオーストリア=ハンガリー帝国)などの大公・国王・皇帝を代々出しました。
後半は形骸化していたとはいえ、ほぼドイツ全域を統べる神聖ローマ帝国(ドイツ帝国)皇帝を中世以来つとめます。
1918年に帝国が解体するまで存続します。

以前はオーストリアハンガリー帝国の19世紀-1900年頃までのジュエリーを度々、ヨーロッパで目にすることがありました。
使われている宝石が豪華なわりには地金がゴールドでない分、割安感があったのですが、近年は見ることが少なくなりました。
時々見つけますとやはりコレクターがしっかりついて評価が定まっているようで、ずいぶんと以前に比べてお値段も高くなりました。
それでも良質なオーストリアハンガリー帝国のジュエリーは今後もますます高価になってくることは間違いなく、気に入った上質な作品に出会ったときは、迷わず手に入れられることをお薦めいたします。
元々数が少ない分、あっという間により希少になってしまいそうです。

オーストリアハンガリー帝国のジュエリーはなぜかイギリスよりフランスの方がまだ見つけやすいです。
地理的な要因かもしれません。

アンティークエピソード集 のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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