見たことのない曲線の美しいバングルブレスレット
アンティークのバングルは幅広のものも多いですが、このバングルの横幅は3-3.5ミリ。
太すぎずいっぽいで華奢すぎず、そして他に見ないうねりったような曲線が目を引きます。
バングルの太さは全周に渡って均一的で、その中でこのような流れるようなラインを作っているのが秀逸です。
ダイヤモンドのバングルの中でもこのようなラインのバングルは珍しく、19世紀後期に作られた作品ですが、今見ても洗練されています。
クオリティーの良いローズカットダイヤモンドは光ります
ダイヤモンドは全部で21石で、全てローズカットにされています。
ローズカットは他のオールドカットに比べても面数が少ないため、同じクオリティーですと光を反射しずらいのです。
そのため「ローズカットは光らない。」と言うイメージをお持ちの方も多く、ある意味それは正しいのですが、それでもクオリティーが良いローズカットは、綺麗に煌きます。
直径3-3.5ミリ程としっかりとした大きさがあり、指輪でしたら1石でメイン石を飾れるクオリティー&大きさです。
このようにほぼ同じ大きさのダイヤモンドを仮に現代ジュエリーで並べたら、ずっと画一的な輝きを放つところですが、アンティークのダイヤモンドの場合1石ずつ手作業でカットされてその石にあわせて台座にセットされているため味わいがあります。
全体は18カラットゴールドで、台座の部分のみ銀。
台座には高さがあり、縦幅のある台座は、側面から見たとき美しいワンポイントです。
同じ幅が続くすっきりとしたシルエットでありながら、絶妙な曲線で遊び心があり、様々な角度から表情豊かな美しさを味わうことができる、洗練されたバングルブレスレットです。
1880年頃のフランス製。
バングルの内寸が16.5センチとアンティークバングルとしては比較的小ぶりなところも、私たち日本女性には嬉しいポイントです。
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ローズカットダイヤモンドとは
ローズカットダイヤモンドは、ブリリアンカットが主流となっている現在においては珍しい存在で、「アンティークジュエリー」ならではの味わいのあるものとして人気があります。
ローズカットとは、底辺が平らでドーム上にもりあがった上部に三角形のファセットカットが施されたカッティングのことです。
表面に細かなファセットが入っていて、ダイヤモンドの上部にテーブル(平らな面)がなく、バラのつぼみが開いたように見えます。
ローズカットダイヤモンドの歴史
フランスでローズカットのダイヤモンドジュエリーは特に18世紀から19世紀半ばのジュエリーに見られますが、ブリリアンカットが19世紀半ばに登場してからも完全になくなるわけではなく、特に小さなダイヤモンドでは度々用いられ続けます。
ダイヤモンドのカッティングは大まかに言いますと
「ポイントカット→テーブルカット→ローズカット→ブリリアンカット」と変遷していきます。
ところでローズカットダイヤモンドはアンティークジュエリーの代名詞のように語られることが多いですが、現代でもカッティングそのものは可能です。
「ローズカットダイヤモンドだから必ずしもアンティークジュエリー」とは限らないということぜひ気に留めておかれてください。
ローズカットダイヤモンドは煌めかない?
またローズカットダイヤモンドはブリリアンカットのように「どこから見ても輝くよう計算されたカッティング技法」ではありませんので「ローズカットダイヤモンドは光らない」とおっしゃる方もいます。
しかし良質なローズカットダイヤモンドは控えめな輝きながらも、綺麗に煌きます。
下記は当店で販売済みの大粒のローズカットダイヤモンドのピアスですが、燦々と煌めくダイヤモンドが印象的です。
2種類のローズカット
また驚かれるかもしれませんが、一言で「アンティークダイヤモンドのローズカット」と言っても、実はローズカットも何種類かありそれぞれ異なります。
例えば下記は「ダッチローズカット(Holland cutting)」と呼ばれるものです。
ダッチローズカットは普通のローズカットよりカット面数が多く、ダッチローズカット・ダイヤモンドは、優れたカットの石が使われていることが多いです。
ちなみにその名前からも分るようにダッチローズカットはオランダで生まれましたが、オランダに限らずフランスなどのアンティークジュエリーでも見られます。
ダッチローズカットはよくローズカットの見本のように示されていますが、実際のアンティークジュエリーではもっとファセット面が少なく簡略化されたローズカット(「シンプルローズカット」と呼ばれることもあります)の方がむしろ多く見られます。
シンプルローズカット
他にも底がちょっと厚みがあるものとか、上部がドーム状にふくらんでいるもの等々、ローズカットも色々違いがあります。
ローズカットダイヤモンドの年代
ローズカットは主に17世紀半ばから19世紀半ばにかけてジュエリーに用いられます。
17世紀半ば以前はダイヤモンドはテーブルカットや原石に近いダイヤモンドが用いられており、1850年以降はオールドヨーロピアンカット(ブリリアンカットの一種)が登場します。
しかしながらその後も特に脇石などの小さめのダイヤモンドにはローズカットが施されることも多く、「ローズカット」と言うカッティングだけからそのジュエリー(あるいはダイヤモンド)の年代を特定することは難しいです。
下記は比較的後年の20世紀に入ってからのローズカットダイヤモンドのリングです。
ダイヤモンドのカッティングは年代を特定する大事な要素の一つには違いありません。
18世紀のローズカットと19世紀のローズカットには違いも見られます。
一般的に18世紀のローズカットのカッティングは19世紀のそれよりずっと平坦で、またダイヤモンドももっと中に黒い内包物の見られるものが多いです。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。